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伊良部先生シリーズ

 仕事でお付き合いのある方から、奥田英朗の「空中ブランコ」を薦められた。直木賞をとっていて自分も名前だけは知っていたが、まったく読もうとはしていなかった本。おもしろいですよ、といわれて、ふぅーん。で終わっていたのだけれど、先日本屋に次の本を探している時に目に入り読むことにした。

 空中ブランコはトンデモ精神科医の伊良部先生が登場する第二作。一作目の「イン・ザ・プール」をとりあえず読む。おもしろい。きっともう有名だし私が解説するのも野暮だけれど。声に出して笑いそうになる本ってなかなか出合わない。どちらかと言うとにやりとさせられるウィットに富んだ笑いの経験が本では多かったのでとても新鮮。
 
 
イン・ザ・プール

 
空中ブランコ

 無茶苦茶な言動で患者を引っ張りまわすのだけれど、結局それが患者の快方へ向かう。しかもそれは患者自身が解決のきっかけをつかみ実践していくタイプのもので、心の病の世界においての文字通り、「治すのは医者ではなく患者」を地で行く。なんだかんだといい話だなぁと感じさせ、「伊良部先生、全部計算なんでしょ?」と何度も聞きたくなる。しかし、作者の巧妙なところは、伊良部先生は常に計算ではなく真面目に生きているだけなのだと振舞わせることだ。ここで患者を本気にさせるために悪役芝居を続けるヒーローにするとまったくつまらないものになっているんだろうなぁ。

 そういえば、サラリーマンNEOにこういう設定のコントあったなぁ。生瀬勝久さんと原史奈さんのコンビで、生瀬さんがやっぱり無茶苦茶なことを言って、セクシー看護士の原さんがサポート。原さんはグラビアやってた頃に比べると少しふくよかになったけれど、あのくらいが一番素敵に見えるなぁ。まぁもっともこちらは何も解決せずに、患者は不満が残り、二人は自己満足するパターンなんだけど。参考にしているとしか思えない、、。

 自分の中の伊良部先生は、完全に俳優の六角精児さんなんです。六角さんをもっと太らせて、ぶよぶよにさせた感じ。あのいやらしい感じが出せるのはこの人しかいないのでは。映画では松尾スズキさんが主演されたみたいです。確かに強烈なアクが予想できます。そのうち見よう。

 
 六角さんに喚起されて。
 本を読む人が少なくなっているとか言う昨今だけれど、本ほど自己満足度の高い充足感を得られるツールもないと思うのだけどなぁ。誰かが決めた素材と色と、配置と世界を提示されるのではなく、与えられた文字だけでその世界が徐々に水から氷へビデオを逆再生するように構築されて、自分だけの小説世界ができあがる。またその想像が、これから文字によって引き起こされる起承転結を、サポートし始める。小説世界の中の出来事がよりリアルに描かれる。文字→イメージの一方通行ではなく文字→イメージ→文字のループが展開される。欠けることで補完されるものって、脳をものすごく刺激しているのだと実感する。ラジオも同じ。

 そう脳を使った人と使わない人って、絶対人生に違いがあると思う。『持続勃起症』が面白いのだってこのせいです。


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テーマ:ひとりごと - ジャンル:日記

【2008/02/09 23:52】 | | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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