コントラバス(以下CB)の名曲、って言われて何か思いつきますか?
よほどのCB好きでないと、なかなかこれっていうのを持っていないことが多いと思うのです。世の多くのCB弾きは美しい高音域も出しながら魅力ある低音までカバーするチェロに永遠の憧れを抱きながらギコギコしているのです(と勝手に思っている)。
そして、無理に高音域に手を出して、どうよ、チェロの曲弾けるんだぜ、って頑張っているプロの演奏を聴いても、すげえ!と思う一方、なんだか虚しい感じも私は覚えてきました。
そんな折、このご存知廉価レーベルナクソスの、ボッテジーニ作品集を知ったのです。

エレジー第一番ニ長調。 こんなにCBの魅力を備えながらしかも旋律が美しく、聴きやすい曲が他にあるだろうか。高音から、腹が震えるような低音まで、ふんだんに使う。そしてこの奏者ジョエル・キャリントン。トロント生まれの熟練奏者の泣きの節回し。ダンカン・マクティアやシュトライヒャー他6〜7人の奏者を聞いてきたけれど、これが一番だと思う。音程と、技巧でやや劣るものの、どうせ作品集に入れる小品だから、と手を抜いたかの如く練習曲の様に淡々と弾く他の演奏と異なり、“悲歌”と訳されるこの曲を表現しきっていると思うのです。
某レコード店でバイヤーをしていた頃は、勝手にCBコーナー拡充して(100〜150枚くらい)、コメントを一々包装の中に突っ込んでいた。故シュトライヒャー氏のお弟子という方から激励の言葉を頂いたり(アホみたいに力いれたコーナーに対してだと思う)。このボッテジーニ作品集Vol1は確か60〜70枚位累計で買っていただいた。まぁ、妙に張り切っていたもんです。
コントラバスってどうもなぁ、という貴方。騙されたと思って是非。練習すれば何とか弾けそうな所も親近感があります。

