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ミシェル・ペトルチアーニ
 皆さんは、歴史的な瞬間だとか、歴史的な人物だとか、後に語られるものに興味はありますか?現在においては人気がある、という程度であっても、その死後いわゆる「時代が追いつい」てその分野を上層へステップさせることがあります。

 以前も触れたけど村上春樹は『ノルウェイの森』の中で、「現代文学を信用しないというわけじゃないよ。ただ俺は時の洗礼を受けてないものを読んで貴重な時間を無駄にしたくないんだ。」と主人公に語らせる。その当時やはり時の洗礼をくぐってきたものが幅を利かせ始める時に、新しく産声を上げたものの本質を理解してそれが正当に評価されるには時間がかかるのだと思う。

 ところで、最近読んだ外山滋比古著『思考の整理学』(今度きちんと書きます)で、「時の試練とは、時間のもつ風化作用をくぐっているということである。風化作用は言いかえると忘却にほかならない。古典は読者の忘却の層をくぐり抜けたときに生れる。作者自らが古典を創りだすことはできない。」と語る。おぉ同じ様なことを言っている!と思ってびっくりしたのだけれど、思考の整理学は1986年、ノルウェイの森は1987年にそれぞれ発行されている。偶然にしては近すぎるかなぁ、なんて。

 閑話休題。

 フランス最高のジャズピアニストとも評される、ミシェル・ペトルチアーニ。先天性の難病を抱え、骨を幾度ともなく折りながら、ピアノを引き続け、99年に亡くなった。
 http://kogumamonolog.blog107.fc2.com/blog-entry-21.html
 去年のエントリーでも書いていますが、つくづく、一度も直に演奏が聴けなかったことを悔しく思う。もっと、自分の頭がまともに回転してくれたら、アンテナの精度がもっと高かったら、その数年前の日本で聞けたかもしれないという悔しさ。CDやyoutubeなどで気軽に色々なものに触れることが出来るようになったからこそ、今、生で触れたかどうかという希少性は尚際立っていると思う。レコーディングでは聴けない聴こえないものがある、のだから。
 濃密に燃焼し散った天才の音を聴いて、今はこんな演奏する人がいない、と思えば思うほど、更にその想いは強くなる。
 
 せめて休みの日は、一日も無駄にしないように外へ出なければならぬ、と覚悟するのであります。

 
 ライブCD『ソロ』 冒頭のE-dur(ぽい)音階たったこれだけで、ステージへ引きこまれる。

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【2008/10/26 00:54】 | 音楽 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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