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『笑えるクラシック』が笑えない
 樋口裕一氏の著書、『笑えるクラシック』を読んでみた。

 

びっくりするほど笑えなかった。著者は音楽評論家というわけではないのですが文章を読む限りクラシック通、といったところ。もちろん、詳しい方ではあると思うんですよ、ええ。

 ただここで挙げられているのは、「こんな事情があることを考えれば、ふん、真面目に演奏するのも馬鹿らしいや」みたいな失笑や皮肉の類。最初の方はまだ多くの人が知らないエピソードを持ち出してきてそれが滑稽だから真面目に演奏するのは野暮、という構図があるんだけれど、途中から完全ネタ切れ。無理矢理おかしそうなところをあげつらって、結局名曲だから楽しめるでしょう、みたいな。

 魔笛についてだけ一例。
 まずストーリーに矛盾がある、と解説→実際にはいくつか説があり真偽はわからないと締める。しかしこれが名曲として愛されるのは「見ているうちに、ストーリー上の疑問などどうでもよくなって、最後にはただただ感動して終幕を迎えることになる」(107P)だそうだ。パパゲーノはコミカルで「パパパの二重唱」が楽しいよ、とか普通に見所解説。

 不真面目な名曲案内、というからには普通に見ていては気付かないことや知られざる話を挙げて、聴き方が変わってしまうほどで、笑えるでしょう、とやってくれないと。名曲中の名曲が実はもろパクリだった、とか。
 ボレロの最後が吉本新喜劇のズッコケと同じに聴こえるだとか、そりゃアンタの主観で、そういう解釈もしていいよ、という話であって笑いたいと思ったら笑えばいいじゃんという話なだけ。そんなの言われなくてもそうしてるだろうしその話を知ったから笑えるようになるわけでもなし(当然、中にはそういう人もいるでしょうけど)。小フーガト短調の出だしが、例の鼻から豆乳に聴こえるから面白いでしょ、笑っていいよてのと変わんない。曲ごとの「笑える」という主因の位置、関係、時勢がむちゃくちゃ。

 これだったら、名曲じゃなくていいから、マニア以外は手を出さなそうな辺りで珍曲紹介とかしてもらった方がいい。レイフスの「ヘクラ」(とにかく爆音)とか、コンヴァースの「安自動車1000万台」(名前だけ)とかの方がよっぽど興味惹くと思う。

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【2008/10/19 18:13】 | | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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